岐阜県の方言を紹介。

岐阜県の方言~岐阜弁~

ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行ヤ行ラ行ワ行

方言 意味 備考
【ア行】           ア行 / カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行ヤ行ラ行ワ行
あかすか だめですよ
あかむ 沸く
あじない まずい
あつくらしい 暑苦しい 「あつくらしい格好して」⇒「暑苦しい格好して」
あのよー あのですね
~あらすか ~であるわけがない 「そんなわけあらすかー」⇒「そんなわけがない」
あらせん、あらへん 合わない
あんき 安心
あんたんたあ あなたたち
あんばよー しっかり、ぬかりなく
いいころかげん いいかげん
~いかした、いらした ~いかれた
いかすか 行かない
いきしなに 行くときに
いけれん 行けれない
いざらかす 動かす
いっとくけどねー 言いますけどねー
いわんこっちゃない 言うまでもない
いわした 言いなさった
いんね いいえ
えーて よろしいですのよ 「これどうぞ」「えーて、えーて」⇒「これどうぞ」「そんなに気を使ってくれなくていいですよ」
えか よろしいか 「~しときんさいよ、えかッ」と言われると、思わず「はい」と言ってしまう。
えぞくらしー わずらわしい
えらい つらい、苦しい 「走ったもんで、えらい」⇒「走ったので、苦しい」
えんな いいですよ
おーじょうこく 難儀
おく 止める
おぞい お粗末、悪い
おそがい 怖い
おたんちん 間抜け
おぼわる 覚えることができる 「全然おぼわらん」⇒「全然覚えることができない」 岐阜県民には、方言という意識はほとんどなく、若者も多用する。
おまはん あなた
おりんさった いらっしゃった
おんさった きなさった、いらっしゃった
おんし あなた 主に年配者が用いる。若者は使用しない。
おんしんたあ おまえたち 主に年配者が用いる。若者は使用しない。
【カ行】           ア行 / カ行 / サ行タ行ナ行ハ行マ行ヤ行ラ行ワ行
~かいの ~ですか
かいろ 帰ろ
かう 掛ける 「鍵をかう」⇒「鍵を掛ける」
かがはいー まぶしい
~かしゃん ~ではないか
がばり 画鋲 年代を問わず使用される。
~かね ~ですか
かまう ちょっかい
~からかして (徹底的に)~しまくる 「言いっからかして」⇒「言いまくって」
かんかん 硬い 「カンカンに凍っとるわ」など。
かんこーする 工夫する 「勘考」で一般的な辞書にも見られる語であるが、これは「じっくり考える」という意味で、 方言的な「工夫する」という意味とはずれている。
きこえすか 聞こえない
きたりびと よそ者
きよった 来た
きんのう 昨日
くろ 隅、端 「道のくろ歩かんとひかれるに」⇒「道の端を歩かないとひかれますよ」
くろにえ 青あざ、皮下出血 「くろにえとる」⇒「青あざになっている」
年代を問わず多用する。
ケッタ 自転車 比較的新しい方言であるが、すでに若者の間では廃れはじめており、「チャリ」に置き換わりつつある。 蹴りたくる→蹴ったくる→ケッタと変化した。
~けー ~ですか
~げー ~ですよ
ごーがわく いらいらする
こーとい 地味
こく 言う 「ウソこくな」⇒「ウソを言うな」
こすい 利口だ 「こすい」は一般に「ずるい」、「ケチだ」など悪い意味で用いられるが、岐阜県や三重県北西部では、 「利口である」など良い意味でも使われる。
こないだ この間
ごぶれーいたしました 失礼しました
(お金を)こわす (お金を)くずす 岐阜、愛知、富山などで使用される。
【サ行】           ア行カ行 / サ行 / タ行ナ行ハ行マ行ヤ行ラ行ワ行
~さった ~なさった
~さらんか ~ください
~さる ~なさる
~しやー ~しなさい、~するといいですよ
しゃちやく おせっかいを焼く 良い意味では用いない。岐阜市周辺の非常に限られた地域のみで使われる。
~しんと ~しないと
じん 「きんのう、あのじんに会ったわ」⇒「昨日、あの人に会いましたよ」
すか はずれ
~せー ~なさい
~せいが ~すると
そーやて そうですね
そーましい やかましい、にぎやか
【タ行】           ア行カ行サ行 / タ行 / ナ行ハ行マ行ヤ行ラ行ワ行
だしみっともない 「みっともない」の強調
だだくさ しまりがない、乱雑
だまくらかす だます こう言われると、いかにも「だます」という感じがするのは不思議である。
~たるわー ~ってあげるわー 「オレがもったるわー」⇒「俺が持ってあげるわー」 若者も使用する。
たわけ、たーけぇー 馬鹿 「馬鹿」よりきついニュアンス。 地元民は「たわけ」と言われると、ひどくショックを受ける。
たるい 残念、つまらない、かなしい
ちーと すこし 若者は「ちょびっと」を用いる。
ちゃっと 早く 「ちゃっと片付けやー」⇒「早く片付けてしまいなさい」
ちょーすく 生意気
ちょーらかす だます、おだてる
ちょびつく ふざける
ちんちん 湯が非常に熱いさま 「このお茶チンチンやもんで、飲めん」⇒「このお茶は非常に熱いので、飲むことができない」
つくねる まとめておく
つける よそう 「ご飯つけて」⇒「ご飯よそって」
づつない 胸焼け
つもい 窮屈 「この靴つもいわ」⇒「この靴小さいわ」
若者も多用する。
つる 持ち上げて運ぶ 「机つるで、そっち持って」など。 岐阜県や愛知県西部の小学校では、この言葉を知らないとやっていけないほど、日常的に使われる。
てーもない とんでもない、大変
でんち 防寒用の袖なしのはんてん 中部~近畿で用いられる。
どうやね どうですか?
どえれー すごい
どこぞかんぞ どこか
どべ びり、最下位 中部地方で用いられる。
~とる ~ている 「今テレビ見とる」⇒「今テレビを見ている」
~とれ ~なさい 「静かにしとれ」⇒「静かにしていなさい」
【ナ行】           ア行カ行サ行タ行 / ナ行 / ハ行マ行ヤ行ラ行ワ行
なぶる 触る、いじる 東海、北陸、近畿で用いられる。
なまかわ 怠惰、無気力 岐阜や愛知で使用される。
なも ですね
なりゃせん ならない
なんちゅう なんという 「なんちゅうこっちゃ」⇒「なんということだ」
なんやったね 何だったでしょうか
なんやね 何でしょうか
にすい 弱い、鈍感 中部~近畿にかけて使用される。
ぬくたい、ぬくとい 温かい
のーて なくて 「鍵がのーて困ったわ」⇒「鍵がなくて困ったわ」
のける どける
【ハ行】           ア行カ行サ行タ行ナ行 / ハ行 / マ行ヤ行ラ行ワ行
~はな ~当時
ばばい 汚い
ばりかく ひっかく
はよ 早く 「はよしやー」⇒「早くしなさい」
ビーシ 模造紙 「そのビーシ(B紙)に描いて」など。他県の人が聞けば、「ビーシって何?」となるのだが、 岐阜県民や愛知県民は標準語であると信じて疑わない。
ひきずり すきやき 岐阜市周辺やや愛知県で使用される。他県の人が聞いたら、何の事だかさっぱりわからない言葉だろう。
びく 女性
ひぼ ひも(紐)
ペーシ ページ
~べた ~側
へっつける くっつける
へともない 問題ではない
ほうしたら そうしたら
ほーか、ほーかね そうですか 「あーほーかね」⇒「あら、そうですか」
決して「アホか」と言っているわけではない。
ほーやて 本当ですね
ほかる 捨てる 東海、北陸などで使用される。
ほせ
ほんで それで
ほんでも しかしながら
【マ行】           ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行 / マ行 / ヤ行ラ行ワ行
まーおいた もうやめた
~まい ~しましょう 「どっか行こまい」⇒「どこかへ行きましょう」
語尾に「まい」を付けることで、少し気取った感じになり、若者も多用する。
~まくった ~してしまった
まめ 元気
まわし 準備 岐阜や愛知で使用される。
みえますか? おいでになりますか?
もーやっこ 分ける
~もんで ~ですので
【ヤ行】           ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行 / ヤ行 / ラ行ワ行
やぐい 弱い
やっとかめ 久しぶり 岐阜県と愛知県で使用される。
~やて ~ですよ
~やで ~ですので
やにこい やりにくい
やめる 痛む
~やらぁ ~でしょう
やらしー 恥ずかしい(遠慮)、嫌だ
~やろー ~でしょう
ようけ たくさん 「ようけ持っとるなー」⇒「たくさん持っていますね」
よったいな おかしな
よばれる 招かれる、頂く
【ラ行】           ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行ヤ行 / ラ行 / ワ行
らしもない 乱雑
【ワ行】           ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行ヤ行ラ行 / ワ行
わっち
わりかし わりあい、わりと

参考文献:
1.松尾 一(2008)『やっぱ岐阜弁やて!』まつお出版
2.真田 信治、友定 賢治(2007)『地方別方言語源辞典』東京堂出版



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